杉山三郎が考古学会で異端と呼ばれる理由とは?メキシコ遺跡で定説覆す発見

   

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昨年、H.B.ニコルソン・メソアメリカ研究最優秀賞を受賞された、愛知県立大学の杉山三郎教授という方がいます。

 

この賞は、中米の先住民族研究の分野で、数年にたったひとりだけ選ばれるという、とても貴重で名誉のある賞なのですが、これまで世界ではたったの4人だけ(アメリカとメキシコの研究家)が受賞してきた賞です。

 

H.B.ニコルソン・メソアメリカ研究最優秀賞の世界5人目の受賞者であり、もちろんアジアでは初の受賞となったのが、メキシコ遺跡などの研究で世界的な成果を上げてきた、杉山三郎教授なのです。

 

杉山三郎教授の経歴や、その成果の程を、簡単にご紹介させていただきたいと思います。

 


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杉山三郎教授の簡単なプロフィールや経歴など

 

杉山三郎 プロフィール

 

 

杉山三郎

愛知県立大学 特任教授

 

1952年静岡県生まれ

東京経済大学経済学部卒業

アリゾナ州立大学大学院博士

 

1980年よりメキシコ各地の古代遺跡で調査。

1988年からメキシコ、テオティワカン「羽毛の蛇神殿」、「月のピラミッド」、「太陽のピラミッド」、「石柱の広場」などの総合調査を行う。

2005年からアステカ大神殿、チョルーラの巨大ピラミッドも共同研究、古代モニュメントの比較研究を行う。近年は人類学、認知科学から文明論を展開。

2011年 愛知県陶磁資料館企画展示「アンデス・メソアメリカ文明展―古代の暮らしと聖なる動物
たち」監修。

 

テレビ・ドキュメンタリー番組NATIONAL GEOGRAPHIC Explorer「Pyramids of Fire」、NHK探検ロマン世界遺産「新大陸謎のピラミッド文明:メキシコ・テオティワカン」、NHK教育 地球ドラマティック「メキシコ・謎のピラミッド」、NHK総合「プロフェッショナル」、TBS「The 世界遺産」などの監修、出演。

 

 

世界にはまだ解明の進んでいない文明などはたくさんありますが、その中でもかなり大きく、かつ古いものに古代エジプト文明などの世界4大文明や、それに並ぶとされるメキシコのテオティワカンなどがあります。

 

エジプトとテオティワカンには、ピラミッドという共通の建造物があるのが興味深いですが、そのメキシコ考古学で多くの功績を残しているのが杉山三郎教授です。

 

 

古代メキシコの都市テオティワカンの基礎知識まとめ

 

テオティワカンは、メキシコの首都メキシコシティの北東約50kmにある、テオティワカン文明の中心となった巨大宗教都市遺跡のことです。

 

紀元前2世期ごろに作られ、900年近くも繁栄を続けましたが、紀元6世紀ごろに滅亡しました。

 

最盛期には20万人を超える人が住んでいたとされ、当時南米最大級の都市で、交易も大いにされていました。

 

7世紀末に廃墟だったこの都市を、アステカ族が発見し、「神々の座所=テオティワカン」という名前をつけました。

 

 

テオティワカン復元図

出典:http://www.y-asakawa.com/mekishiko-gazo/teothiwakan_iseki.htm

 

遺跡は、有名な「ケツアルコアトルの神殿」や、「太陽のピラミッド」「月のピラミッド」、中央をほぼ南北4kmに渡って走る「死者の大通り」などから構成されています。

 

名前は、いずれも廃墟になった後に訪れたアステカ人が命名したものです。

 

 

その構造は非常に精巧なもので、滅亡の経緯も含め、その多くが謎に包まれており、エジプト文明同様世界中の考古学者の研究対象となっています。

 

 

なぜ杉山三郎教授は異端と呼ばれているのか?


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杉山三郎さんのアプローチは、その他の考古学者とは少し違っている部分があります。

 

 

一つは、モノに語らせること。

 

杉山三郎さんは「解釈はどんどん変わるけれど、データはずっと残る」とおっしゃっていて、地道で精緻な作業を、年単位で徹底的に調査することで少しずつそのモノの真相に迫っていきます。

 

「モノから語られることを僕らは聞かなくちゃいけない。自分の理論、自分の考え、自分の解釈をそこに当てはめようとしてはいけない。純粋な気持ちになって、そのモノが語ってくるものを読み取る。」ともおっしゃっていますね。

 

このあたりは、ある意味とても日本人らしい感性であり、このような地道さが、他の研究者では成し遂げられなかった、様々な発見に繋がったようにも思います。

 

 

そしてもう一つは、我々とは何者かを過去から見出すことと語っています。

 

杉山三郎さんは、2000年以上前の遺跡であっても、当時の人も同じ人間であり、同じようにその環境にある制約の中で生活していたと考えています。

 

例えば、アステカやテオティワカンで有名なものに、生贄という風習がありますが、それも現代に生きる人々も、ある意味社会に自分を生贄にしている部分もあるなど共通点があり、人類はそのような営みの中で連続しているのだとおっしゃっています。

 

ですので、どうしても文明の滅亡の理由ばかりに注目されやすい考古学を、点と点を結ぶ線であると考えることが重要と捉えられているようです。

 

そのような発想により、杉山さんは近年の考古学や人類学のみならず、最新の認知科学の側面から文明論を展開するに至っています。

 

 

杉山さんが異端と言うような言われ方をするのは、このような普通でないアプローチが無関係でないように思います。

 

 

更に進化と研究を続ける杉山三郎教授

 

この考古学にとらわれない多角的な捉え方は、杉山三郎さんの特殊な経歴とも関係がありそうです。

 

杉山さんはそもそも経済学部を卒業されていて、そこから突如ボランティアでメキシコに渡っています。

 

そして、遺跡発掘調査のアルバイトをすることで考古学の道に入り、その後35歳でアリゾナ州立大学大学院博士課程を終了するなど、その人生はNHKでも特集されるほどの変化に富んだものでした。

 

 

完全な叩き上げの専門家ではなく、そのような複雑な人生経験あればこその、普通の研究者では成し遂げなかったあ、現在の高い結果と評価につながっているのだと思います。

 

 

まだまだ、テオティワカンの調査の方は終わっておらず、杉山三郎さんの研究はこれからも続くことでしょう。

 

新しい発見を楽しみに待ちたいと思います。

 


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